メディカルブリッジではバイオテック企業出身者、内分泌化専門医、小児専門医を中心にバイオ企業、大学と連携し幹細胞培養上清に関する研究と開発を行い、提携クリニックとの応用方法について検討、支援しています。
研究内容・目的
・ヒト幹細胞セクレトームの医薬品及び再生医療治療などへの利用方法の確立。
・ヒト幹細胞セクレトームの製造方法及び抽出・浄化、粉末化方法を確立し、そのヒトへの応用方法について検討する。
幹細胞培養上清液(培養上清)とは
幹細胞(主に間葉系幹細胞)を培養する過程で細胞が放出する成長因子やサイトカインなどの生理活性物質を含む液体部分。これらの物質の総体を「セクレトーム(secretome)」と呼ぶ。
• 再生医療での期待
培養上清液は、細胞そのものを使用せずに、細胞が分泌する有用成分(成長因子・サイトカインなど)を活用するため、安全性や手技の簡便性が期待されている。また、成長因子などは組織修復・抗炎症・細胞増殖促進効果など、多面的な生理学的作用を有することが判明しており、さまざまな分野での期待がされている。
– 参考文献:Caplan AI, “Mesenchymal Stem Cells: Time to Change the Name!”, Stem Cells Transl Med, 2017; 6(6): 1445-1451.
弊社培養上清の特徴①:HGFを中心とした成長因子が一定数以上、含まれている事を担保している。
• **HGF(肝細胞増殖因子)**とは
組織修復や血管新生の促進、抗炎症作用など多面的に機能する成長因子。肝臓のみならず心筋や末梢血管など多領域での再生・修復の可能性が研究されている。弊社ではHGFをターゲット指標とし、成長因子が含まれていることを検査し質を担保している。
• 実際に成長因子が入っていない製品が存在する背景
培養条件や使用する幹細胞の種類によって、成長因子の種類や量が変動するため、成長因子の産生が少ないまたは検出限界以下の場合がありうる。弊社では測定検査を行い、実際にHGFが含まれていることを確認している。しかし、すでに一部製品には成長因子が検出されないものが確認されており、注意が必要となっている。特に昨今では企業背景の不明な事業者の参入が多く、法規制或いは制度の確立が求められている。
弊社製品の特徴②:セクレトーム抽出を目的とした培養による高品質の担保
• セクレトーム抽出を最優先にした培養設計
幹細胞を「何のために、どのように培養するか」によって、分泌される因子の量や種類は大きく異なる。培養上清液を最終産物として重視する場合、検体、細胞の種類、培地成分(製造の基礎)、培養技術、培養期間などを最適化することが重要であり、弊社では大学側からの安定した検体提供を受けた上で、専用培地の開発から携わっている。
弊社培養上清の特徴③:国内大学研究所内・上場企業CPC内での生産・管理
• CPC(細胞培養加工施設)の概要
弊社では再生医療関連製品の品質管理や安全性確保のためにGMP適合性調査の認定を受けた施設で生産と管理を実施しています。“自称GMP”でなく、正式に認証や厳しい要件を満たした大学施設や日本の上場企業の研究所施設で徹底した品質管理を行ってい安全性の追求に勤めています。
・CPC(細胞培養加工施設)の安全性について
CPC(細胞培養加工施設)を評価するときには、まず「GMP相当」ではなく、厳密にGMP基準の正式な認定を受けているかどうかが重要です。大学や上場企業の研究施設であれば定期的に外部監査が入り、施設運営や品質管理の実態が客観的にチェックされるています。こうした施設では細胞や検体のコンタミネーションが起きないように徹底された清浄度管理が行われており、さらに優れた培養師が常駐して日々の作業を担っています。一方で、外見が近代的で清潔に見えても、実際の運用や安全対策が伴っていないケースもあるので、「見た目が綺麗」だけで判断するのは危険です。特に一部クリニックではインバウンド患者様に見せるための設備を配置し、安全を謳っていますが、注意が必要と言えます。
弊社培養上清特徴④:凍結乾燥技術による品質維持(常温保存でも劣化が極めて少ない)
タンパク質(成長因子・サイトカインなど)の構造と活性を保ちつつ、水分を除去する技術の開発をし、酸化や微生物増殖などの劣化リスクを低減し、輸送・保存コストを抑えています。